君の居ない世界

最愛の息子を自死で亡くした母のブログです。

第2章のはじまり

息子が居なくなってから、私の人生は変わった。


この1年半、ずっと靄がかかっているような毎日を手探りで進み、時折、暗闇の中に突き落とされ、迷子の子どものように泣き叫ぶ。見えない息子の姿を探し求め泣き叫ぶ。


当初に比べ、心穏やかな日も増えたけど、急に当時の苦しい感覚に引き戻され、悲しみに打ちひしがれる日もある。


心に大きなキズを負ってしまった。
それは決して癒えることもなければ、良くなることもない。


普段はキズ口が開かないようにバンドエイドを何重にも貼り、キズを隠して生きている。


私の人生は大きく変わってしまったけれど、周囲の世界は何一つ変わっていない。愛する息子がいなくなっても周囲の生活は変わらない。
そのことが耐えられないときもある。


我が子を自死で失う


言葉では表現出来ない、四字熟語や適当な言葉さえも見つからない、魂からの苦しみ…


その苦しみを背負って生きることになってしまった残りの人生をどう生きるべきか、ずっと考えてきた。


息子は何も私の人生を変えたくて、苦しみを与えたくて自死を選んだのではない。
むしろ、生きたくても人生を続ける術がなかった…


側にいた私がもっと手を差しのべてあげていれば、もっと寄り添っていてやればと、未だ後悔ばかりで自責の念だけが残る。息子もまた被害者だ。


今は息子が彼方の世界で苦しみから解放され、自由に安らいでいることだけを願うだけ。


この世界の全てを捨てて旅立った息子のように、


私も今の生活を捨てようと思う。


少しずつ手放して、息子の魂と共に、もっと自由に魂の赴くままに生きようと思う。


アラフィフおひとり、離島移住生活まであと半年。


ここ数日の悲しみ

2日前から息子を失った当初のような激しくて深い悲しみに襲われています。


まるであの時に引き戻されたかのような、発狂しそうな程の苦しみを感じています。


それは彼の遺した遺書を読んだからだと思います。


1年前、よく読めずにいた遺書を、1年経って再び読んでみようと思いました。


彼の死を受け入れることが出来ず、いまだにどこかで現実から目をそらしている自分がいます。


だけど、彼の死を、現実を受け入れないといけないという思いもありました。


3月で1年が過ぎ、息子がこの世に居なくなってから2度目の5月を迎えました。


新緑の汗ばむ季節。ちょうど1年前の今頃は毎日が辛くて苦しくて悲しくて、無機質なモノクロの世界で感情に蓋をして、ただただ泣くだけの日々でした。


その時の感情もまたフラッシュバックしてきます。


息子が自死を決意したときに書いたと思われる「これでやっと地獄から解放される」という言葉が、


死んだ後にいくのが地獄ではなく、この世で生きることこそが地獄だと、彼の言葉の意味が今の私には十分に理解できます。


でも、いちばん辛いことは、私のこの苦しみより遥かに大きな苦しみを彼がずっと抱えていて、それをどうすることもできなかった、1人で苦しませ死なせてしまったことです。


息子との思い出を思い出すとまだ涙が出ます。

息子の部屋もそのままで、何一つ整理できません。

息子の遺骨も手元供養用のお仏壇に置いています。

息子のことを毎日どんな時でも考えています。


後悔、後悔、後悔。ただ悔やむことしか出来ない。


愛しい我が息子。その声も、笑顔も、温もりも、全てに触れることは2度と出来ないのです。


こんな残酷なことが人生には起きるのだと、人生は不条理であると身をもってわかりました。


この先どれくらい生きるかわかりませんが、長生きなんてしたくないのが本音です。


だけど、息子のように自ら命を絶つ勇気はありません。


やはり死は怖いのです。


寿命がくるその時まで、悲しみを抱えて生きていく。


ただ、それだけです。



君の最後の言葉

「もっと普通に、もっと楽しく生きたかった」


君が遺書の最後に書いていた言葉…


本当は死にたくて死を選んだんじゃない。


本当は生きたかったんだよね。


生と死のはざまで君は1人孤独に闘って、


希望より絶望が勝ってしまった。


君は生まれたことを悔やんだのかもしれないけど、


君が生まれてきたことは奇跡で、何よりも尊いんだ。お母さんはどんな君でも愛している。


なぜ、このことを今まで君に伝えてこなかったんだろう。


お母さんがもっとちゃんとした母親なら、君は今も笑って生きていたのかもしれない。


君は親不孝だと謝っていたけど、それは反対だよ。


お母さんが君を不幸にした。


本当に本当にごめんね。


もしも、また君がどこかで生まれ変わるならば、今度は生まれてきたことに感謝して、人生を謳歌して長生きしてほしい。


お母さんが全ての罪を被るから、


君は自分の人生を思いっきり楽しんでほしい。




君はいちばん大切な大切な宝物